ODEXからのお知らせ

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年頭所感

2021-01-04

 新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げますとともに、旧年中に賜りましたご厚誼に心より厚く御礼申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症の大流行により、世界各国におきまして、経済的に甚大な打撃を受け、社会生活そのものも、否応なしに大きな変革にさらされることとなりました。年末にかけて、ようやく欧米でワクチン接種の動きがみられましたが、その効能や副反応は未だ明確に検証されていないなかにありまして、我が国の経済活動がコロナ禍前に戻るには、なお数年の経過が必要とされる見通しのようです。

 このような不透明な時代を迎えるなかにありましては、リスク管理ツールとしての先物市場の必要性が一層高まるものと予見されるところですが、米穀については、本年 8 月に試験上場期間の満了を迎えます。取引開始から 10 年を数えることになりますこの節目に、何としても本上場を実現するべく、市場参加者の裾野を拡げる取り組みを加速させますとともに、受託会員の協力のもと、一層の取引量の拡大をはかり、引き続き、市場流動性の向上を通じた使い勝手の良いマーケットの構築を目指して参ります。

 具体的には、コメ先物取引の主力銘柄である「新潟コシ」はもとより、昨年 4月にコメ先物取引に新たなラインナップとして追加した「宮城ひとめ18」「秋田こまち17」における産地を中心とした浸透に注力しつつ、政府の農産物輸出奨励に向けた動きに呼応し、これまでの先物取引の常識にとらわれることなくコメ輸出に関係する当業者の利便性を追求した標準品、「輸出米(「新潟コシEXW」)」を本年 3 月にもラインアップに加えることを予定しております。

 さらに将来に向けて、商品先物市場を取り巻く多様な環境の変化に対応するため、会員のご理解のもとで組織運営を刷新し、本年 4 月 1 日からの株式会社組織への変更を目指しているところでございます。株式会社化による経営基盤の強化・充実により、米穀の本上場実現だけではなく、米穀以外の商品について取引高が低迷する状況を打破するとともに、金・原油といった多種多様な商品の上場、また、国際金融都市に名乗りをあげた大阪に本拠を置く取引所として、そのコアになる金融商品市場の創設による総合取引所化も視野に入れ、国内外のマーケットにおける健全な競争に貢献する取引所を新体制のもとで目指して参ることになります。

 最後になりますが、本年が大阪堂島商品取引所飛躍の年となりますよう祈念いたしますとともに、皆様方の益々のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。


令和 3 年 元 旦
大阪堂島商品取引所
理事長 岡本 安明