価格変動を
「読めない不安」から
「管理できるリスク」へ
石岡 謙治さん
東京都葛飾区で
「株式会社こめじ」を経営。
今回は無菌パックご飯の営業(企画販売)を行う(株)こめじの石岡社長に、堂島コメ平均®を活用した「価格下落時のリスク管理」について伺いました
※本記事は、2026年3月17日に実施したインタビュー時点の内容に基づいています。取材後の相場変動によって最終的な結果が記事掲載時の想定と異なる場合があります。
株式会社こめじの事業内容
本日はよろしくお願いします。
まずは、御社の事業について教えてください。
当社は、無菌パックご飯の営業(企画販売)を主業としています。
具体的には、無菌パックご飯で使用する原料米の調達をし、それを製造会社様にて商品化して頂き、完成した無菌パックご飯の商品を買い入れて、スーパーやドラッグストアなどに販売するという形です。
原料米の調達は、どのような方法を取られているのでしょうか。
主に民間の卸間仕入れと一部の契約栽培です。契約栽培は春先の段階で、生産者の方々と価格を決めて、原料米を安定的に確保するスキームも採用しており、今後はこういった契約栽培を増やしていく予定です。
契約栽培は品質や数量の見通しが立てやすくなるので、安定仕入れができ、販売計画を組みやすいというメリットがあります。
製品の安定供給を支える仕組みでもあるのですね。
そうですね。契約栽培は、原料をきちんと押さえながら事業を進めるうえで、今後は益々当社にとって非常に重要な取り組みになると考えています。
堂島コメ平均®活用の背景
その一方で、価格面の課題も出てきたと伺いました。
はい。昨今、米市場の環境が大きく変動する中で、春先に秋の価格の見通しが立たない不安定な状況になっています。
春先に価格を固定していた場合、相場が下落した際には、含み損が生じてしまうことも考えられます。
本来は安定調達のための仕組みが、相場環境によってはリスクにもなり得る、と。
まさにそうです。契約栽培は生産者側も弊社の仕入れ側も安定した経営の為に、規模拡大を進めていきたいと考えております。
ただ、価格固定に伴う変動リスクは、別の方法で手当てしておく必要があると感じていました。
そこで、堂島コメ平均®の活用を検討されたのですね。
はい。堂島コメ平均は、全国の平均米価の将来数値を取引対象とする指数先物取引で、価格変動リスクへの備えとして使える仕組みです。
当社としては、契約栽培の仕組みは維持したまま、相場価格の下落リスクだけを切り分けて管理できる点に可能性を感じました。
活用の考え方
実際には、どのような考え方で活用されたのでしょうか。
考え方はシンプルです。
春に契約栽培で調達価格を固定すると、その後市況が下がった場合、固定価格との差が含み損になります。
そこで、その価格下落分を相殺するために、堂島コメ平均で先物を売り建てるという方法を取っています。
相場が下がるほど、先物側では利益が出る構造ですね。
はい。相場価格の下落時に現物側では損益がマイナスになっても、先物の売り建てでは利益が出ますよね。
そのため、両者を組み合わせることで、全体として損益を均しやすくなります。
※含み損のすべてを補填できるとは限りません。
※相場価格の動きによっては含み損が発生しない場合もあります。
実際に活用を始めてみて、どんな感覚ですか。
「相場が下がること自体」が怖いのではなくて、下がったときに何も備えがないことが一番の不安だったんです。
その意味で、堂島コメ平均を組み合わせることで、契約栽培を続けながらリスクの見通しを持てるようになったのは大きいですね。
実際の取引内容
現在は試験的な導入だと伺いました。
はい。まずは実際に自社の調達スキームに合うかどうかを確認するために、2026年の6月限・8月限・10月限を使って、合計30枚の取引を行っています。
【取引概要】
- 対象|堂島コメ平均(2026年6月限・8月限・10月限)
- 数量|合計30枚
- 6月限:14枚
- 8月限:10枚
- 10月限:6枚
- 価格|33,960円/31,000円/30,061円
-
取引日|
- 2025年9月11日(6月限・8月限)
- 2025年10月20日(6月限・8月限)
- 2025年12月2日(10月限)
複数限月に分けて試された理由はありますか。
一度にまとめてではなく、限月を分けることで、実際の調達や価格変動との噛み合い方を見たかったというのがあります。
まずは試験的に取り組みながら、どの限月・どの枚数が自社に合うかを確認していく段階です。
“小さく始めて、自社に合う型を見つける”という考え方ですね。
その通りです。
いきなり完成形を目指すというより、まずは使ってみて、実務に落とし込めるかを確かめることを重視しました。
まとめ
今回の取り組みの中で、最も大きい点は何でしょうか。
やはり、契約栽培のメリットを維持しながら、価格下落リスクへの備えを持てることです。
原料を安定的に確保するという本業上の目的はそのままに、相場変動だけを別枠で管理できるようになる。この点は非常に大きいと感じています。
最後に、同じような課題を持つ事業者へ一言お願いします。
契約栽培や長期契約を続けていくうえで、価格固定のリスクは無視できません。
そのリスクをすべて現物だけで抱え込むのではなく、ヘッジという発想で分散して考えることが、これからはますます重要になるのではないでしょうか。
株式会社こめじ 石岡謙治さん
長年お米業界に従事し、2023年に無菌パックご飯の企画営業販売の会社として株式会社こめじを設立。
原料となるお米については、東北の農業法人から契約栽培による直接仕入れも行い、安定した仕入れと販売の体制を確立する為に奮闘している。
まずは口座開設から!
当社商品先物市場でのお取引には、下記いずれかの受託取引参加者(取扱会社)にて口座開設が必要となります。
取引の注意点
商品先物取引における差損益の会計処理について
商品先物取引で生じる差損益は、損益計算上「金融派生商品収益(費用)」として計上され、現物の売買損益とは会計上、別勘定で処理されます。
なお、具体的な勘定科目や表示区分は、各社の会計方針や監査基準に従いますので、詳細については別途ご確認ください。
証拠金について
堂島コメ平均の取引では、まず「証拠金」というお金を預けていただく必要があります。
証拠金とは、万が一値動きで損失が出た場合に備えるための保証金のようなものです。
価格が大きく動いた場合には、追加で証拠金が発生する可能性があるため、お取引の前に仕組みやリスクをよくご確認ください。





