取引をはじめるには
取引を実際に始めるにあたって
- 取引を始める前には、商品先物取引の仕組みや取引の仕方を十分理解しましょう。
- 最初に預けた資金以上に損失が発生する恐れがある取引ですので、生活資金ではなく、余裕資金で取引を行いましょう。
- 商品の情報収集を行い、ご自身の責任と判断で取引を行いましょう。
取引の流れ
ここでは、簡単に一般委託者が取引を行う手順を説明します。
1.商品先物取引業者と契約
一般の委託者は、取引所に直接注文をだすことはできませんので、商品先物取引業者(以下、商先業者という。)に注文を委託して、取引をします。
①取引を委託する商品先物取引業者を選択する。
商先業者の情報を収集して、自分にあった取引形態のところを選択しましょう。
取引の形態は、対面取引やオンライン取引があります。
②商先業者と委託者との取引ルール及び商品先物取引の概要等を理解する。
契約する前に商先業者が必ず渡し、説明する法定書類(事前交付書面)
- 受託契約準則-委託契約に関する基本的なルール
- 商品先物・委託のガイド-取引の仕組み、委託契約手順の流れなど
③取引の契約をする。
取引の仕組みなどが理解できたら次の書類を商先業者に提出しましょう。
- 約諾書-取引を委託する意思を表明する書面
- 通知書-氏名、住所、連絡場所等を書面で通知する
2.取引を開始
①取引する商品を選択する。
取引所や商先業者のホームページ、新聞やテレビなどを通じて、上場商品の知識、値動きの要因及び取引のルール等の情報を収集しましょう。
収集した情報をもとに検討し、商品の選択やどのように注文を出すか判断しましょう。
1) 標準品 | どんな銘柄が基準になっているのか |
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2) 取引単位 | 1枚当たりの商品の数量はいくらか |
3) 呼値 | 値決めの対象となる単位数量はいくらか |
4) 限月 | 最終的に決済しなければならない月はいつか(限日取引を除く) |
5) 立会時刻 | 取引所で立会が行われるのは何時から何時までか |
6) 制限幅 | 一日の値段が動く範囲はどれくらいか |
7) 取引証拠金 | 預け入れる担保はどのくらいか |
②委託者証拠金を預け、注文(新規注文)を出す。
委託者証拠金は、現金若しくは有価証券を充用することができます。
委託者証拠金を預託したら商先業者から「預かり証」が発行されますので、確認しましょう。
商先業者は委託者の指示どおりに、取引所の市場に注文を出します。
注文の際は、明確に指示しましょう。
- 上場商品の種類
- 限月
- 買付けか売付け
- 新規(取引を終了する時は、仕切)
- 何枚取引したいのか
- 注文する値段
- 一度に全量が約定しなかった場合はどうするのか(約定条件の選択)
- その他必要事項
③取引成立及び不成立の報告の確認
注文が成立すると商先業者から「売買報告書」が送付され、不成立の場合は、その理由の通知があります。内容は必ず確認しましょう。
④取引を終了する(仕切注文)
取引を終了するには、差金決済と受渡決済の2つの方法があります。ここでは、差金決済するものとします。
価格は、日々刻々と変動しますので、取引した商品に関する情報を収集分析し、取引を終了するタイミングを判断しなければなりません。
たとえば、予想どおり価格が変動し益がでているので、その利益を受け取りたい、あるいは予想に反した動きとなり反転する気配がないので、損失が大きくならないうちに取引をやめようと判断した時は、仕切るための注文を出さなければなりません。
注文の際は、新規注文と同様に明確に指示しましょう。
⑤取引の報告の確認
仕切注文が成立し、損益が確定すると、商先業者から売買差損益金に委託手数料等を含めた「売買報告書及び売買計算書」が送付されます。内容は必ず確認しましょう。
損益計算例
例えば
将来、とうもろこしの価格は上昇すると予想。10枚分の委託証拠金を商先業者に預託し、10枚買いました。
- 委託手数料は、片道3,000円/枚、委託証拠金は100,000円/枚とします。
とうもろこしを50,000円で10枚買ったとすると・・・
とうもろこし50
取引単位 | 50,000kg/枚 |
呼値 | 1,000kg |
1枚当たりの委託証拠金×取引枚数=預託額
100,000円×10枚=1,000,000円
倍率の計算(取引単位÷呼値)
50,000㎏÷1,000㎏=50倍
- 委託手数料及び委託証拠金は商先業者によって異なります。
Case1 予想通り価格上昇、51,000円で転売し(売り注文)、差金決済した。
[損益計算] (売値-買値)×倍率×取引枚数=差益
(51,000円-50,000円)×50倍×10枚=500,000円
委託手数料×枚数×往復分=往復手数料
3,000円×10枚×2=60,000円
実質の利益金は、440,000円(差益-往復手数料)となります。
預託分を含めて出金すると・・・
預託額+実質利益=出金計
1,000,000円+440,000円=1,440,000円
Case2 予想に反して価格下落49,000円で転売し(売り注文)、差金決済した。
[損益計算] (売値-買値)×倍率×取引枚数=差損
(49,000円-50,000円)×50倍×10枚=-500,000円
委託手数料×枚数×往復分=往復手数料
3,000円×10枚×2=60,000円
実質の損失金は、560,000円(差損+往復手数料)となります。
預託分を含めて出金すると・・・
預託額+実質損失=出金計
1,000,000円-560,000円=440,000円
50,000円で
10枚買う
Case 151,000円で10枚を売る
Case 249,000円で10枚を売る
価格
- 倍率は商品毎に異なります。
取引終了
取引を終了し、清算したい場合は、商先業者に請求すれば4営業日以内に支払われます。
商品取引所での価格は、日々刻々多様な要因により変動します。売り・買いの新規注文が成立した時点から損益が発生しますので、その状況を常に把握しておかなければなりません。又価格の変動により、追加の担保を預託しなければならない場合もあります。
取引を終了するか、続けるかはご自身の判断で行ってください。