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- EFP取引 具体例 - 1 -
9月15日、「新潟県産一般コシヒカリ」を取扱う産地業者のAさんは、11月に手配したいと考えている消費地業者のBさんと取引の交渉を行いました。
このとき、新米が収穫されておらず、Aさんは在庫を持っていませんでしたが、Bさんの意向どおり、EFP取引を前提に11月15日を納入日とする「新潟県産一般コシヒカリ」の現物売買契約を結びました。
EFP取引を前提としたのは、契約時点でAさんにはコメを調達するまでの価格上昇リスクがあり、Bさんには納入日以降、販売先が決まるまでの価格下落リスクがあり、それぞれAさんには買いヘッジ、Bさんには売りヘッジを必要としていたためです。
なお、契約価格については、9月15日のコメ先物市場価格(20XX年4月限の終値)に1,000円のプレミアムを加算した金額としました。
【※契約金額(17,500円)=コメ先物価格(16,500円)±α(+1,000円)】
AさんとBさんは、現物売買契約を背景に取引所にEFP取引取引の申出を行い、Aさんは買いポジションをBさんは売りポジションを持つことになりました。

その後、Aさんは納入日前の10月25日に「新潟産一般コシヒカリ」の新米を調達できたので先物市場でヘッジ目的の買いポジションを決済しました。Bさんは、契約どおり11月15日にAさんから「新潟産一般コシヒカリ」の新米を買付け、その後1月30日に販売先が決まったことから、先物市場でヘッジ目的の売りポジションを決済しました。
このように、先物価格に所定の値差を加減した価格を契約価格とした段階で、EFP取引の申出を行うことで、双方の都合に合った先物価格でヘッジすることを可能にします。
仮に、Aさん、Bさん、ぞれぞれが通常どおり、先物市場で各自でヘッジしようした場合は、大口の注文であればある程、自らの注文によって約定価格が影響を受けるため、希望した価格でヘッジできないケースや全量を同一価格でヘッジできないケースが発生する懸念が生じます。
これに対し、EFP取引を使って先物市場を利用すれば、約定価格が自らの注文に影響されることなく全ての約定を同一価格で成立することが出来るため、より効率的なヘッジを実現することができます。また、現物取引契約の際にも、透明で公正な先物価格を指標として利用することで、より効率的な価格交渉が期待出来ます。