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10月20日、「石川県産コシヒカリ」の新米の在庫を持つ産地業者のAさんは、在庫価値の減少リスクに備えるため先物市場に売りヘッジをしました。

その後、11月15日になって、Aさんは12月に手配したいと考えている消費地業者のBさんと取引の交渉を行うことになりました。

AさんとBさんは、EFP取引を前提に11月20日を納入日とする「石川県産コシヒカリ」の現物売買契約を結びました。

EFP取引を前提としたのは、契約時点でAさんには売りヘッジを解消して先物市場から離脱する必要があり、Bさんには納入日以降、販売先が決まるまでの価格下落リスクがあるため、先物市場での売りヘッジを必要としていたからです。

なお、契約価格については、契約日のコメ先物価格(20XX年4月限の終値)から150円を減算した金額としました。
【※契約金額(17,450円)=コメ先物価格(17,600円)±α(−150円)】

AさんとBさんは、現物売買契約を背景に取引所にEFP取引の申出を行い、Aさんはヘッジポジションを解消し、Bさんは売ポジションを持つことになりました。

Bさんは、契約どおり11月20日にAさんから「石川県産コシヒカリ」の新米を買付け、その後12月1日に販売先が決まったことから、先物市場でヘッジ目的の売りポジションを決済しました。

このように、先物価格に所定の値差を加減した価格を契約価格とした段階で、EFP取引の申出を行うことで、双方の都合に合った先物価格でのヘッジと市場離脱を可能にします。

仮に、Aさん、Bさん、ぞれぞれが通常どおり、各自で先物市場の離脱やヘッジを実施しようとした場合は、大口の注文であればある程、自らの注文によって約定価格が影響を受けるため、希望した価格で注文が実現ことや同一価格で全量の注文が実現しないケースが発生する懸念が生じます。

これに対し、EFP取引を使って先物市場を利用すれば、約定価格が自らの注文に影響されることなく全ての約定を同一価格で成立することが出来るため、より確実な市場離脱や効率的なヘッジを実現することができます。また、現物取引契約の際にも、透明で公正な先物価格を指標として利用することで、より効率的な価格交渉が期待出来ます。

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