
参考情報Silver
参考情報 銀
Silver 銀の性質
- ●金に比べると希少性は低い
- ●金よりも割安に取引可能
- ●短期間に値が激しく動くことも
- ●工業品用途も大きく景気動向の影響も

銀は金と同様に古くから宝飾品や通貨に用いられてきました。古代には銀の生産量が金よりも少ない時代もありましたが、近代では精錬技術の発達にともない、希少性は低くなっています。
銀は金よりも安価で購入できますが、金に比べると市場規模が小さいため価格が乱高下しやすいという傾向があります。 1998年には著名な投資家のウォーレン・バフェット氏が銀に多額の投資をしていると公表し銀価格が上昇しました。最近では2021年に米国のSNSでの投稿をきっかけに米国の個人投資家が連携して買いを仕掛け、短時間で急騰し反落するという現象も起きました。
一方で銀は、熱や電気の伝導率が高く、多くの金属と優れた合金をつくれることなどから工業用金属として広く用いられています。特にエレクトロニクス産業、太陽光発電、電池、触媒、医療などの分野では欠かせない材料となっています。銀はこれらの実需も大きいため景気動向の影響も受けます。
Silver 銀の価格変動要因
- ●金と同様の値動き
- ●産業向け需要の動向
- 金は宝飾品向けよりも工業用品向けの占める割合が多いため、実需の変動の影響を受けます。世界経済が活況で設備投資意欲が旺盛になると銀の需要が増し、銀価格を押し上げます。最近では、欧米を中心に太陽光発電向けの銀の需要が増しています。
- ●銀生産国の動向
- 2022年の銀の生産量は1位メキシコ、2位中国、3位ペルーとなっています。メキシコは1980年代の累積債務問題、90年代の通貨危機などを経験し、現在も長引くインフレなどの課題を抱えています。最近では、米中対立にともない米国への輸出も拡大して経済活動は改善していますが、左派政権は保護主義的な政策を打ち出しており、政情は引き続き注視する必要があります。ペルーでも2021年に左派政権が誕生しています。中国は世界第2位の銀生産国であるとともに大量の銀の保有国でもあります。過去には政策の変化に応じて在庫の調整を行ったこともあり、相場が左右されます。
- ●資金流入による値動き
- 銀の市場規模は金に比べて小さく、1970年代後半に起きたハント兄弟による銀買い占めなどのように、資金が大量流入することで価格が大きく変動しがちなので注意が必要です。(※1)
※1:1970年代後半、米国で石油会社を経営する富豪のハント兄弟は、インフレやドル安によって金融資産の価値が目減りする中、インフレに強い通貨としての側面もある貴金属の銀に着目し、石油事業で蓄えた一族の資金力を背景に、米国の先物市場で猛烈な勢いで大量の銀を買い占めた結果、銀価格が9ドルから50ドルに大暴騰し、巨額の利益を稼ぎ出しました。しかしその後、価格高騰による欧州の大量の銀製品から鋳潰された銀の現物市場への流入やFRBの利上げなどにより銀価格が下落に転じ、ハント兄弟は買いポジションを維持できなくなり、その影響により銀価格はさらに暴落しました。
Silver 中長期トレンド
安全資産として買い集中へ
銀は貴金属系の中でも価格変動が激しく、これまでも上昇と下落両局面で価格が大きく動いていました。
特に大きな変動があったのは、2010~11年の間と20年。08年リーマンショックによって、保有する金融資産を現金化しようと多くの投資家たちの動きが活発化し、銀の価格は下落。各国で金融緩和政策を実施したことで、貨幣価値が大きく下がり、通貨に対する信頼も薄くなりました。その結果、安全資産として通貨よりも金・銀などを残そうとする人が増え、10年以降の価格が急騰、一時48ドル付近にまで到達しました。しかし、経済が回復に向かうとコモディティの人気が離散。20年まで下落を続け、安値の14ドル割れまで鳴かず飛ばずの相場が続きました。
その後、コロナショックの影響で再び世界経済が打撃を受け、銀に注目が集まるようになり、約2倍の28ドルにまで上昇しました。
価格が大きく動いた時期は経済危機後だったため、貴金属が有事の際に強いという傾向が現れています。
2021年以降の価格動向
コロナショックの影響により、20年は銀価格が上昇、21年は乱高下を繰り返すことになりました。21年上半期は24~29ドルを推移していましたが、6月後半からは下落傾向に。その要因としては、米国の金融当局が大規模な金融刺激策の縮小に動く可能性があるとの見方が広がったこと。コロナショック後の経済成長の鈍化が回復傾向にあり、インフレ対策として金融緩和の縮小を行うことで、銀価格が徐々に下がっていくことになりました。
2023年現在、経済懸念やリスクオフの影響で上昇傾向に
22年に大きく下落した銀価格は、23年に反発。米ドル高が抑制されたことも要因ですが、インフレが加速する中、22年から各主要国での利上げが実施され、経済の低迷が懸念されました。
23年からアメリカの主要地銀やクレディ・スイスの破綻などが市場に不安を招き、安全資産としての銀に買いが集中した形となっています。
Silver 一日の動き
銀はFXと同様、世界中で取引されほぼ24時間価格変動しているのが特徴です。
●日本時間では、まず、午前中が一つの重要な時間帯です。
日本市場の参加者は前日のNY市場の引けを見て、価格の方向性を判断しながら取引します。また途中から中国・香港、さらにシンガポール勢が参入するため、午前中に大きく値が動くことも少なくありません。特に為替市場に動きがあった場合には、そのような傾向が強まります。
●日本時間夕方
日本時間夕方に、
インド勢・中東勢、欧州勢が参加し始めると、値動きはさらに活発化します。
●日本時間夜
日本時間夜そして夜(欧州時間の午後)には、NY勢が参入。
●日本時間夜中
夜中になると、NY市場では世界の投資家たちが参入して値動きはより活発化します。