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商品先物ガイド

1.商品先物取引とは

商品先物取引とは、将来の一定期日(決済日[納会日])に一定の商品を売り又は買うことを約束して、その価格を現時点で決める取引のことです。

決済日(納会日)前であれば、いつでも自由に買ってあったものを売り(転売)、または売ってあったものを買う(買戻し)ことにより、商品と代金を受渡しすることなく差金の授受のみで取引を終了させることができます。この売値と買値の差額の授受を「差金決済」といいます。

[差金決済計算式] 先物損益=(売値-買値)× 倍率 × 取引枚数

 したがって手元に商品が無くても売り契約を交わすことが可能になり、また商品を受け取ることを考えずに買い契約を交わすことが可能になります。さらに「売り」からでも「買い」からでも取引を開始することができますので、価格が上昇局面または下落局面、いずれの場合でも利益を得る機会があり、資産運用の場として活用されています。

なお、生産者、流通業者、商社などの現物と接点がある業者(当業者)は、決済期日に受渡しすることにより、現物商品の手当及び換金する場として利用することも可能です。

2.世界のデリバティブ取引対象

商品先物取引はデリバティブ取引の一種で、世界で取引されているデリバティブの主な原資産には、次のものがあります。

商品 貴金属 金、銀、白金
非鉄 銅、アルミ、パラジウム、亜鉛
エネルギー 原油、ガソリン、天然ガス
農作物 コーン、大豆、小麦、コーヒー生豆
通貨 ドル/円、ユーロ/円
株価指数 日経225、TOPIX、S&P500、Euro stoxx 50
債券・金利 日本国債、米国債、Euribor

これまでの堂島取引所は、農産物を中心とした商品市場でしたが、今後は上表にあるような様々な原資産を取引対象とする市場にしていきたいと考えています。

3.機能について

(1)資金運用手段

例えば、取引に参加する場合、5万円の資金(証拠金)を担保として預ければ、その金額の10倍~20倍、50万円~100万円の取引ができます。差金を決済することによって取引を終了できることから、多くの投資家が資金運用手段として利用しています。また、他の金融商品と組み合わせることで、効率的な投資効果が望めるため、ポートフォリオの一部として注目が高まっています。

(2)保険つなぎ(ヘッジ機能)

当業者は、天候異変、為替の変動、需給状況などによる価格変動リスクの危険にさらされています。こうした価格変動リスクを回避する手段の一つとして、先物市場を利用することができます。

例えば、在庫として保有する商品(上場商品)の価格が将来下がりそうと感じているとき、在庫が売却できるまでの間、何とか価格変動リスクを防ぎたいと考えたとします。

現状のままでは将来損失が発生することが予想されますが、先物を現在の相場で売る契約をしていれば、将来商品価格が下がって保有する商品で損失が出ても、先物で利益を得ることができ、損失を抑えることが期待できます。

逆に、将来商品を購入しようと考えているが、購入時までに相場が上昇しそうだと思うのであれば、現在の相場で先物を買う契約をすれば、将来値上がりしても契約した値段で購入することができます。

ヘッジ取引例(売りヘッジ)

(3)価格発見機能(若しくは公正な市場価格の形成機能)

商品先物取引には、刻々と変化する需給を反映して変動する価格を形成する機能がありますが、この機能を価格発見機能(若しくは公正な価格形成機能)といいます。先物市場では、継続的に多くの売手と買手が、それぞれの注文(数量と価格)を提示、競り合い価格が決まるため、もっとも公正と考えられています。したがってその価格は、売手からも買手からも信頼され、現物取引の基準、指標価格に活用されます。

4.証拠金について

商品先物取引に限らず、有価証券や通貨の先物取引も含めた全ての先物取引に共通する特徴は「証拠金取引であること」です。 証拠金とは、先物市場で未決済契約(建玉(タテギョク)といいます。)を保有している者が取引履行の担保として清算機関に差し入れなければならない金銭又は有価証券をいいます。清算機関とは、取引所の指定を受けて取引所取引に関する資金決済に関する業務を主に行っている組織です。一般投資家の取引証拠金も、商品先物取引業者を通じて清算機関に預託されます。

  • ・一般投資家の方は商品先物取引業者を通じて証拠金を差し入れます。
  • ・預託された証拠金は「値洗い損」や「決済損」の清算に充当されます。

5.委託者保護制度

委託者資産保全制度について

商品先物取引業者は、商品市場における取引のために委託者から預かる取引証拠金等は、確実に保全される必要があります。万一商品先物取引業者が破綻等になれば、その被害額は莫大で委託者の証拠金や差益金の返還ができない場合もないとはいえません。こうした不測の事態に備え、商品先物取引法に基づき、取引証拠金制度、分離保管制度、委託者保護基金制度を設けて、委託者資産の保全を図っています。

①証拠金の保全

取引証拠金制度では、取引の担保として預託する証拠金は、原則として委託者が直接、日本証券クリアリング機構(以下「JSCC」といいます。)に預託することが義務づけられています。商品先物取引業者は、委託者の代理人として、預った取引証拠金をそのままJSCCに預託する(直接預託)か、委託者から同意書を得て預った委託証拠金について、それ以上の額を取引証拠金として預託する(差換預託)必要があります。委託者は、通常、代理人である商品先物取引業者を通じ預託した証拠金の返還請求をしますが、商品先物取引業者が破綻するなど、その商品先物取引業者から返還を受けることができない場合は、直接JSCCに対して返還請求することとなります。

②分離保管制度

委託者債権を保全するため、商品先物取引業者は、保全対象財産(商品先物取引業者が委託者から預かった取引証拠金及び委託証拠金に委託者の委託取引により発生した損益等を加減算した額からJSCCに取引証拠金として預託され委託者が返還請求権を有する額を控除した額)について、信託、日本商品委託者保護基金(以下「保護基金」といいます。)への預託、銀行等の支払保証、保護基金の代位弁済制度のいずれか又はその組合せにより保全措置を講じ、自らの財産と分離して保管することが義務付けられています。したがって、商品先物取引業者が、破綻した場合でも、委託者債権の支払にあてられるべき原資を確保することができるのです。
委託者は、通常、代理人である商品先物取引業者を通じ預託した証拠金の返還請求をしますが、商品先物取引業者が破綻するなど、その商品先物取引業者から弁済を受けることができない場合は、直接JSCCに対して返還請求することができます。

③委託者保護基金制度

委託者保護基金制度は、商品先物取引業者が破綻等により、JSCCに預託してある取引証拠金の払い渡し及び分離保管契約に基づく弁済額をもってしても弁済しきれない場合に、一般委託者1人当たり1,000万円を限度(ペイオフ制度)に保護基金が当該基金の会員が納付した資金等により造成された委託者保護資金を弁済原資として弁済を行う制度です。取引証拠金制度と分離保管制度を補完するために設けられた制度です。

※詳しくは、商品先物取引業者、JSCC、保護基金にお問い合せ下さい。

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